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こころの法話集078

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お話078

如来様の加護受けて

芦原町轟木・浄光寺住職 高木正之

お弁当の思い出

よく見かける風景ですが、親子づれでハイキングに行き、楽しそうにお弁当を食べている様子を見ると、心和む思いがします。そのお弁当を食べる姿を見ると私には、思い出されることがあります。
それは、私の学生時代は、京都に下宿しておりまして、夏休みや冬休みは田舎へ帰っておりました。私の田舎は、京都から特急で、八時間ほどかかりますので、田舎から、京都に行こうと思うと、必ず一度は、電車め中で食事をしなければなりません。当時の私は、弁当を電車の中で広げて食べるのよりは、食堂車の中で、かっこ良く食べる方がなんとなく良いように思っていました。それで、母親が「京都に行くのだから、弁当を持って行くように」と言っても、始めは嫌で「いらないよ」と言っていました。それでも、「いいから持って行きなさい」と何度も言われるので、シブシブ、弁当を持って帰りました。
昼になって、せっかく持ってきた弁当を捨てるのは、もったいないと思い嫌々ながら中を開けて食べましたが、やっぱりその弁当のおいしかったことは、なんとも言われませんでした。その時は、思いませんでしたが、今になって思えば、母親は私のためにと朝早くから起きて、弁当を作ってくれたのだと思うと、頭の下がる思いでした。そこに、子どもを思う温かい母の思いが感じられます。

お話078

子どもは、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、なかなか母親の言うことを聞こうとしません。それでも、母親はいつでも子どものことを思い、よくあれと、願っています。私たちもそれと同じように、いつもあっちを向いたり、こっちを向いたり、なかなか如来様のことを思いはしません。それでも、如来様は、私たちのことをいつも見守って、「救わずには、おかんぞ」と言って下さっているのです。そして、その温かいお慈悲で、私たちを包んで下さっているのです。私は、弁当を食べる度にそのことに、気づかさせていただいているのです。

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