こころの法話集180
お話180
一つの言葉を大事に
大野市伏石・常興寺住職 巌教也
白骨の御文章
あるお寺の聞法会で、私はこんなお話を聞きました。
「蓮如上人の“白骨の御文章”は、名文中の名文です。“それ人間の浮生なる相をつらつら観ずるに”に始まって“朝には紅顔あって夕には白骨となれる身なり”と示され、やがて“あわれというも中々おろかなり”と申されましたが、実はこの“おろか”という言葉は、現代的な“おろかもの”といった意味の言葉ではなくて、蓮如上人の時代では“いくらかわいそうだといってみても、言葉では言い尽くせるものではない”という意味の言葉であったということを知って、改めて蓮如上人の温かい心にふれる思いに感動いたしました」
これはあるお寺の掲示板で読んだものですが、
「一つの言葉でけんかして
一つの言葉で仲なおり
一つの言葉におじぎして
一つの言葉になかされた
一つの言葉はそれぞれに
一つの心をもっている」
だからこを私たちは、その一つの心を大事にしたいと思います。なぜなら“心に愛がなければ、どんなに美しい言葉も、相手の胸に響かない”という言葉もございますから。