こころの法話集１８１
お話１８１
老いても全力尽くせ
大野市伏石・常興寺住職 巌教也
「よく生きた！」
あるお寺の掲示板で、私はこんな言葉に出会いました。
「四十ニシテ初メテ惑イ
五十ニシテ志ヲ立テ
六十ニシテ事ヲ進メ
七十ニシテ事ヲ成就シ
八十ニシテ熄（ヤ）ム」
みんなが長生きできるようになりました…。そしてみんなが気付き始めました。人それぞれの人生において、強く明るく生き抜く道を求めてみんなが努力を惜しんではならないということを…。
先の掲示板の言葉を、もし孔子さまがご覧になったら、きっとびっくり仰天されることでありましょう。日本の熟年・老年パワーのバイタリティに対して…。
「老いてから何ができるか」という老人の主張の中で、ある方は次のようにおっしゃっています。
「…自分の生を出しおしみしないこと、十分に生を出しきって生きていくこと、これが条件である。私にとって、老いはやって来るのではなく、自分の生をかけて老いていくことである。私は死ぬ一瞬前でいい、自分にこう言いたいのである。“よく生きた！”」と。
