こころの法話集246
お話246
供養と荘厳表す仏華
清水町島寺・浄福寺住職 藤井信哲
仏壇にはお華(はな)、仏さまの絵には蓮(はす)の花-花は仏さまのアクセサリーのようですが、どんな意味があるのでしょうか。
仏壇にお花を供えたとき、おまいりする人の方に向けて形が整えられています。これには供養と荘厳(しょうごん=かざりのこと)の二つの意味があります。香と花と灯明はお釈迦さまご在世の古代インドでの三大供養の品でした。お花は器に盛ったり、道場に散らして、美しい花と同じくまごころを仏さまにささげて供養することが行われました。
阿弥陀経には「極楽の人たちは朝早く花皿にかぐわしき色とりどりの花を盛り、み仏を供養したてまつる」と説かれています。無量寿経にも「灯を燃やし花を散らし、香を焼き」とあります。インドでは花を散らすか皿に盛るわけで、花瓶に立てるのは中国の習慣です。松、ヒノキなどの常緑樹を「しん」にして四季の色花をさしまぜます。真宗では造花は用いません。毒花(キョウチクトゥやマンジュシャゲ、ムクゲなど)、トゲのある花、蔓(つる)花、悪臭が出る花は用いません。
トゲは心にトゲをもつの意味になるし、蔓は独り立ちできず、他に依頼心を起こさせるものです。不快なにおいは「鼻もちならぬ」意味になります。
お花は荘厳(おかざり)として、仏さまのいますお浄土をあらわす意味から、おまいりする人の方に向けられています。「真は荘厳より生ず」の言葉もあります。仏壇のお給仕はおろそかにはできません。