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こころの法話集424

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法話424

勤行に励んだ一茶(さとりの世界ありのまま)

美山町獺ケ口・正玄寺住職 岩見紀明

俳句と信仰(二)小林一茶の場合

「涼しやな弥陀成仏のこのかたは」
小茶一茶の句です。この俳句に示されるように、一茶の句には理屈がないのです。頭の中で考えられたり、訂正したりすることなく、ありのままがそのまま流れでてきたのでしょう。特にこの句についてはそのような気がします。
ですから、へたな理屈を述べたり、説明を加えたりしないほうがよいように思います。たぶん晨朝(じんじょう)のお勤めのあと、すらすらと筆を運ばせたものでしょう。この句でうかがえるように、一茶は毎日の勤行を怠らなかったものと思われます。
一茶は父、弥五兵衛の死後、財産相続に蔵とりっぱな仏壇をゆずり受けておりますが、その仏壇の前で朝夕、きっと「正信念仏渇」を拝読したに違いありません。
仏教に清涼池(せいりょうち)という言葉があります。言うまでもなく「さとり」の世界を表現した言葉の一つです。こよなく心地よい安らぎを形容した言葉です。すべてを阿弥陀さまにまかせきった安らぎの世界です。
一茶ほどの苦悩多い人生を歩んだ人も、そう数多くいないと思われます。煩悩に燃え、憎悪に心安まる暇のなかった一茶が、阿弥陀さまの御前に、ただ一人、自分のすべてをさらけ出して正信念仏するとき、すべての苦悩を越えて慰められた安らぎを感じたのでしょう。
「弥陀成仏」のその時から、一茶一人のためにはたらきかけた仏の慈悲をしみじみと感じられたことと思います。勤行後のさわやかな一時が表現された、味わい深い一句であります。

挿絵

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