こころの法話集434
法話434
深い因縁に感謝を(互いに尊敬と愛情持て)
坂井町御油田・演仙寺前住職 多田淳政
めぐり会いの喜び
人間は社会的動物であるといわれています。
私たちは、生まれた時までに父母があり、父母とともに家族という社会をつくっています。そしてさらに親せきや友人、隣人など、いろいろな人々とより広い社会を構成して、その中に生きているわけであります。それだけ私たちはいろいろな人とめぐり会うわけですね。
このめぐり会いということは、実はなかなか大変なことなのです。親子となり夫婦となることも、実は深い深い因縁があってはじめて出来ることです。
そうすると、その深い因縁、深い関係こそまことにありがたいことであり、喜ばねばならぬことでありましょう。
もちろんそのめぐり会いも、場合により人によっては、不幸の種になることもあります。せっかく親子となり夫婦となりながら、一生を憎み合って暮らさねばならぬ人もあります。お釈迦様が怨(おん)憎会苦といわれたのはそのことであります。
しかし、それは私たち自身の心の持ち方に原因があるのではないでしょうか。お互いにめぐり会うことの出来た深い深い因縁に気づかせてもらったら、憎み合うどころか、その因縁を大切に思って、お互いに尊敬と愛情とをもつことに努力することが大切であります。