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こころの法話集441

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法話441

大安心で力強く(未来は明るい”仏の世界”)

坂井町御油田・演仙寺前住職 多田淳政

過去と未来(二)

私たちは現在をしっかりと生きてゆくことは、大変大切なことであります。
しかし、現在は現在だけで存在するのではなくて、過去の積み重ねであり、未来をはらんでいるのであります。従って過去の自分の姿に目が開かれ、未来への希望を含んだ現在でなければ、本当に現在を生きることにはならぬでありましょう。
動物はほんの現在だけに生きて、過去の自分を反省することもなく、また未来への希望と計画も持っていません。人間だけが過去を思い、未来への希望を持つことが出来るといわれています。従ってもし私たちが自分の未来を考えなかったら、それは動物にも等しいのであって、真の人間らしい生活とはいえないでありましょう。
私たちの未来はどうでありましょうか。今まで過ごしてきた過去があったように、来年もあり再来年もあり、さらに生命の終わった後も私の未来はあるに違いありません。しかし、悲しいことは、人間の私たちにはその先の未来はわかりません。そこに死が何か暗いものに思われ、死が大きな苦悩となるわけでありましょう。
しかし、仏さまのご本願は、未来は必ず明るい仏の世界、お浄土へ生まれさせずにはおかぬと言って下さいます。明るい希望に満ちた未来を頂いている私たちは大安心の気持ちで、苦悩多き現在を力強く生きさせて頂きたいものであります。

挿絵

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