こころの法話集118
お話118
仏様が下さる“救い”
知江市戸口町・乗誓寺住職 鎌数静雄
「名号」
先に申し上げました「本願」の約束を、一人ひとりの上に実現されますために、「南無阿弥陀仏」という六字の仏様になられたのであります。この六字の仏様を名号(みょうごう)と言うのであります。
この「名号」のいわれを聞くことが何より大切ですので、今、三点に絞って申し上げます。
まず「名号」とは、仏様が私たちのために成就された仏因であります。私たちには、仏様に生まれ変わるような仏因は少しもありませんから、仏様の方で、一人ひとりのために、長い間のご心配と、ご修行とによって、すっかり仕上げて下さったのであります。それを「名号」というのであります。
次に仕上げられましても、仏様が持っておられるだけでは私たちは救われません。だから仏様は、その名号を一人ひとりに下さるのであります。その名号をいただくことによって、救いが成立するのであります。

最後に、どんな風にして下さるのかと申しますと、阿弥陀如来の方から呼びかけて、それを聞かせて一人ひとりに与えて下さるのであります。「どんな事があっても、あなたを仏に生まれしめたいのです。遠慮はいりません、どうかこの仏因を受け取って下さい。お願いします。と呼んでおられるのです。
このお心を仰ぐところに「名号」が私たちの上に実現するのです。