こころの法話集165
お話165
手を取り合い人生を
芦原町轟木・浄光寺 高木正之
和の貴さ
私の寺で、日曜学校の報恩講がありました。始まる前は、元気よく走り回っている子どもあり、独りでポツンと柱にもたれている子あり、二、三人でがやがやと話し合っている子どもありで、本堂のなかは、実ににぎやかでした。
ところが、仏参が始まると、騒がしかった子どもも、独りでいた子どもも、静かに座って両手を合わせ、みんな一緒になって仏様を拝み、そして、小さな子が一生懸命お経さんの本を見ながら、正信偈(け)を唱えている声を聞くと、仏様を中心にみんな一つの輪になっているなと感じさせられました。
よく言われることですが、お念珠の心というのは、親玉を中心に、子玉が一つのヒモに結ぱれています。その親玉というのが仏様で、仏様を中心に、私たちは手を取り合って仲良く生きていくのだよと、言っているように感じます。
聖徳太子様も「和(やわらぎ)を以て貴と為す」とお示し下さいましたように、この和という心、共に手をたずさえて生きていくということを、子どもたちのおかげで感じさせられました。