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こころの法話集183

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お話183

大事なこと気付く時

春江町千歩寺・順教寺前住職 中臣徳恵

病を喜ぶ

近年、カゼもひかず、日々健康そのものであったのが、今年三月中旬、寒さの戻りと無理したことが重なって、流感にかかり、これがもとで思い病患にかかりました。お彼岸ごろには、歎異抄の第九節にあるごとく、「いささかの所労(病気)のこともあれば、死なんずるやらんと、こころぼそくおぼゆることも、煩悩の所為なり」。まことにその通り。また、西行法師が「同じくは花のもとにて 春死なんその如月(きさらぎ)の 望月(もちづき)のころ」と歌われたが、私も釈尊のお生れの四月の花まつりのころに、あるいは臨終かと思うことでありました。
法然上人は、「病患をえて、よろこぶべし」と仰せられたと聞いていますが、私もまた上人のごとく、病気こそ本当に大切なことに気をつけさせていただく最もよいチャンスである。即ち人間はすべて、
(一)生死解脱について、浬槃(ねはん)への大きな道が開かれる勝縁である。
(二)病気こそ生、老、病死の自然なりの一つだが、これによって、人間だけがその本当の意義が知らされる。
(三)病気になってこそ、周辺の方々の恩恵がいよいよ知らされ、人生における意義が深く味わわれる。

お話183

右のことを味わいつつも、連日医院に通い、点滴の注射を何十回と重ね、適切な処置を受けたおかげでようやくその原因とする膵臓頭(すいぞうとう)の異変による肝臓障害と判明し、療養を続けて回復に向かいつ安静にしております。八十二歳の老齢で体力が無くて、なかなか全快も容易でありませんが、病気になって、「病患はよろこぶべし」と感受している次第です。

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