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こころの法話集189

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お話189

生命は地球より重い

金津町六日・善蓮寺住職 森瀬高明

生命を大切に

近ごろ、腹立たしくやり切れない事件に、グリコ脅迫事件と、山口組をめぐる暴力抗争があります。この二つの事件は、内容はそれぞれ異なりますが、人間の生命を虫けらのように軽ろんじている点では、共通していると思います。「人の生命は地球全体の重さより重い」と一方でいわれながら、実情は必ずしもそうではないようです。
親子心中、通り魔殺人、交通事故、自殺(それも低年齢層の)など、毎日の新聞にそうした記事のない日はないぐらいです。
釈尊はある日、何人かのお弟子たちと道を歩いておられたが、何を思われたか、突然かがまれて、両手に一杯の土をすくわれ、お弟子たちに向かわれて、「この手の中の土と地上の土とどちらが多いか」と尋ねられたところ、お弟子たちは異口同音に「もちろん地上
の土の方が問題にならないぐらい多いです」と答えました。
釈尊は「そうであろう。人間として生を受けることは地上の土の中からすくわれて、この手の中に入るよりも困難なことだよ」といわれ、人間として生まれる因縁の至難なことを教えておられます。源信僧都が「三悪道を離れて人間に生まれたる事、第一の喜びなれ」と諭されている言葉を深く味わうべきです。

お話189

お弟子たちは異口同音に「もちろん地上の土の方が問題にならないぐらい多いです」と答えました。
釈尊は「そうであろう。人間として生を受けることは地上の土の中からすくわれて、この手の中に入るよりも困難なことだよ」といわれ、人間として生まれる因縁の至難なことを教えておられます。源信僧都が「三悪道を離れて人間に生まれたる事、第一の喜びなれ」と諭されている言葉を深く味わうべきです。

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