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こころの法話集318

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お話318

丸岡町篠岡・高岳寺住職 中野純賢

生活見つめ直し感謝

皆さんに今昔物語の一話をお話しましょう。
昔ある所に大変貧しい男が住んでおりました。ある日その男の妻が病気になり、男は妻に何か精のつく物を食べさせようと考えました。しかしそのお金もないので、男は湖でカモをつかまえることにしました。
ある朝早く男は湖へ行って、じっとカモが来るのを待っていると、ちょうど二羽のつがいのカモがやって来ました。男はしめしめと思い、ねらいを定めて雄のカモをしとめました。早速家に帰って、明日このカモを妻に食べさせようと思い、さおに干しておきました。
ところがその日の夜、何やらバタバタと鳥がさわぐので、男は目を覚ましました。「これはあのカモが生き返ったのかもしれない」と思って外へ出てみると、もう一羽のカモが悲しそうに、死んで干してあるカモの横で泣いていました。
そうです。雌のカモです。死んでしまった夫のカモに会いに来たのです。男はその光景を見て「なんと私はむごいことをしてしまったんだ。自分の妻を助けるがために、カモの夫婦を犠牲にしてしまったんだな」と深く後悔をしました。そして、丁重にそのカモを供養したということです。
仏教をお開きになったお釈迦様は「生きとし生けるもの、悉(ことごと)く皆仏性あり」と申され、この世のすべてのものに、仏様が宿っていると説かれています。
しかし私たち人間は毎日の生活の中で、たくさんの命を奪って生きています。つまり他の命に生かされて生きているのです。今一度自分たちの生活をみつめ直し、感謝して頂きたいと思います。そして一寸の虫に至るまでも、その命を尊重して頂きたいと念願しております。

お話318

「朝一杯の茶」の幸せ

お話318

「北陸の角は幸せ者です」このことばはみなさま、お聞きになったことがあると思われますが、某ウイスキーのコマーシャルの中のことばです。
その意味はと申しますと、これは私なりの解釈ですが、北陸は大変山海の珍味が豊富であり、それをさかなに愛飲される酒は幸せ者だ、ということだと思われます。私は酒を愛する男ではありませんが、なんと謙虚でおごりのない言葉であろうと私は感じます。
私たち人間はどのように満ち足りても、必ず不平不満や愚痴をこぼします。「あの人はいいな。あれが食べたいな。あれが欲しいな」と限りがありません。「人のぼたもちはうまく見える」とはうまく言ったものです。確かに人間には、その人なりの悩み、苦しみ、あるいは満ち足りてはいないものがあるでしょう。
しかし永平寺をお開きになった道元禅師は「朝一杯のお茶を飲める。これに勝る幸せはない」と申されております。朝起きて食事の後に飲むお茶の格別さは、皆様味わったことがあるでしょう。この格別な味を味わうことができる、これは大変にありがたいことなのです。
世の中にはまだまだ不幸せな人たちがたくさんおります。飢餓に苦しみやせおとろえた“難民”と呼ばれる人たち、あるいは今なお戦争の恐怖にさらされている人たちなど、数えあげたらきりがありません。
たぶんこれを読まれている方は、皆さん幸せ者でしょう。いや、そう思う謙虚な気持ちで暮らして頂きたいと思います。そしてさらに願わくば、その幸せを多くの人に分け与える、そんな志を持って頂けたら、私は“法悦”(この上ない喜び)を感じます。
合掌

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