こころの法話集336
法話336
お浄土への旅守る(阿弥陀仏の願いが光明に)
勝山市沢町一丁目・法勝寺住職 佐々木蓮證
仏の願いを聞く宗教
お経には「真実は如来なり、如来は真実なり」と示され、親鸞聖人は「真実とはものの実になるまことである」と申されました。
この私を必ず浄土に生まれしめるために「如」の世界から「来」て下さったから「如来」と申します。「南無阿弥陀仏」とは、久遠(くおん)の阿弥陀仏が「真如」の世界から迷いの世界へ救いの目的をもって出て来て下さり、この私を救おうという大願を起こし、真実の救いの道が仕上げられて、仏の方からこの私に「われにすべてをまかせよ、必ず救うぞ」と呼び続け、はたらき続けて下さる聖なる言葉であります。
お経は、仏様の願いが説かれているのであります。ですから、仏教は仏様の願いを聞く宗教であります。私の方から仏様に勝手なお願いをする宗教ではありません。阿弥陀仏の願いは必ず力となって、私にとどいて下さるのであります。それを「必ずものの実になるまこと」と申されたのであります。
阿弥陀仏の願いは摂取不捨の光明となり、私をおさめとり、どんな悲しみや苦しみの中にも、必ず喜びをとり落とさない人間に育てあげ、日々をお浄土への旅として人生を送らせようと、守り続けて下さるのです。
仏様の光にあうということは、仏様の教えを聞くということであります。それをよく聞かせていただくと、み仏の願いのすべてが、この私にそそがれていることが知らされ、この私のいのちがどんなに大切なものであるかを知らされるのであります。