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こころの法話集346

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法話346

一冊の書物に似て(むなしさ知り厳しさ認識)

敦賀市元町・浄蓮寺住職 龍渓玄真

二度とない人生

「人生は一冊の書物に似ている。愚かなものは、それをペラペラめくってゆくが、賢い人間は念入りにそれを読む。なぜなら、彼はただ一度しかそれを読めないことを知っているから」ジャン・ポールという人のことばです。
さて、この一度しか読めない一冊の書物が、正しく私たちの人生であるとするならば、私たちは今現在、はたしてどちらの読み方、すなわち人生に対する姿勢を選んでいるのでしょうか。
私たちは善と悪、愛と憎しみ、幸と不幸、出会いと別れ、はてしない欲望の充足と不満足などさまざまな交錯するこの苦悩の人生を、時には明るく、時には暗く、喜怒哀楽の繰り返しとして生きております。来る日も来る日も、涙と笑いのむなしい繰り返しに時を過ごし身をすりへらして、やがては必ず死なねばならない自分であることを忘れはて、いたずらにその場限りの生命を生きているのではないでしょうか。
ちょうど、一冊の書物が一度きりしか読めなかったのと同じように、私たちに与えられた人生は、一回きり、二度とない人生です。
この人生の事実に気づいた時、私たちは夢幻のような人生を生きねばならない自分に驚きます。そしてこの限りある身のはかなさ、むなしさの認識は、やがてこの一面性の人生を生きることの厳しさを私たちに教えてくれ、生きることの意味を問わせ、ついには真実の人生を願わせ、私たちを本当に生かしてくれるのです。仏教で「無常」ということを説く尊さがここにあります。

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