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こころの法話集362

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法話362

よろこび(五)

東京・元東京大学教授 笠原一男

「親鸞聖人、蓮如上人の研究をたくさん本にしておられますが、学究生活の中でのよろこびを、聞かせてください」とよくいわれます。
子供と本とは同じなんです。学究生活をしている者にとっては、子供ってのは、十人あっても、最初の子供はかわいくって、十番目はにくらしいということはないんです。五十人子供がいても、一番最初の子供も五十番目の子供も、全部同じにかわいい。生まれたときは、ほんとうにうれしい訳です。
だからそういう意味で私は、親鸞聖人と私が結婚し、蓮如上人と結婚し、子供が次々に生まれる。五十人生まれる。どの子が生まれても、ほんとうにうれしい感じですね。ことしの九月にも、蓮如上人との間に蓮如上人という子が生まれるんですけれども、どんな子が生まれるか、どんな顔して生まれてくるか楽しみです。
そして五十番目の本も五十一番目の本も、私、一週間くらいほとんど毎日いじっています。私何番目の本が生まれるときでも、子供が生まれるように楽しくて、平等にかわいい。これから私は死ぬまで、親鸞聖人との間に、また蓮如上人との間に子供を作っていきますが、それが私が生きているかぎり、最大のよろこびでしょうね。

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