こころの法話集365
法話365
生まれる尊さ(一)
東京・東京女子医大医師 大内広子
私は、医者として、産婦人科を専門として大学病院につとめ、患者さんの診療にまた、医学生の教育にと毎日を元気ですごしております。そして私の喜びは、女性の医師として少しでも女の方々のために尽くせる仕事をさせていただいていることす。
昔は社会的にも経済的にも恵まれない女性、まして、健康のことなどかまっていられないことが多かったのですが、今の医療制度は、ご本人が、自分の体に対して注意深くあるならば、手おくれになることもなしに医療が受けられます。
お産は、昔から生理的なもので、助産婦さんの所で産むことが当然のことのように思われていました。何も異常がなしにすむこともありますし、時には、妊娠中毒となったり、一生涯、その後遺症のため、すなわちタンパク尿や、高血圧で苦しむ人もいます。
しかし、妊娠中にちょつとした赤信号が見つかった時に注意すれば、この悩みも解消されるようになり、元気な赤ちゃんが生まれることも度々経験しています。お産での死亡など、ずいぶんと少なくなってきました。皆様にとっても、日本の医療水準が高いことは、喜びと感じます。