こころの法話集060
お話060
念仏で心の顔と対面
芦原町轟木・浄光寺 高木正之
お念仏とは心の鏡なり
朝起きて、顔を洗うとき、鏡を見ます。歯を磨き、顔を洗い、整髪をすませた顔を鏡で見ますと、気のせいか、しまった顔に見えます。考えてみますと、鏡というものは、私のありのままを映し出しているように思います。しかし、どうでしょうか。私の本当の顔、つまり心の顔に、鏡を見せて気づくことができるでしょうか。
喜ばしい心、怒りの心、楽しい心、悲しい心、これらは鏡では見ることができません。しかし、その心は私の本当の姿なのではないでしょうか。この心の顔を私に気づかせて下さるのが、南無阿弥陀仏のお念仏であります。お念仏に出会うとは、私自身の業に気づかせていただくことなのです。お念仏とは心の鏡と味わわさせていただいております。