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こころの法話集065

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お話065

恐れ知らぬ自分自身

福井市田原二丁目・法円寺住職 細江乗爾

地獄製造者

どんな人だって苦しい事はきらいです。私たちは心豊かに、身も軽く、明るい平和な日々でありたいと願っているものであります。その上、人間は大変賢い動物ですから、高度の科学で非常に栄えています。しかし、どうでしょう。その科学が、今や、人類全体を恐ろしい所に追い込もうとしているのでございます。
三千年昔の釈尊のお言葉「痛み言うべからず、ただ、あわれという外はない」。つくづく思い当たり、また生きております。恐ろしい事でございます。苦しい事や嫌な事が続くと、どこかへ引っ越したらと思ったりします。しかし、どこへ行っても、心が浅ければ、引っ越す前に先回りをして、人生苦難の嵐(あらし)が待っている事でございましょう。人生を見る目が狂っているんですから、どこも苦しみの場であり、かなしみの巷(ちまた)であるというお釈迦様の言葉を笑うわけに
はいかないようです。

お話065

「お前は、なぜ、このようにおれを苦しめるのか」と、地獄に落ちている罪人が、鬼に恨みを言ったそうです。すると、鬼は、意外そうに言いました。「なんというたわけた事をぬかす。このおれを作ったのは、そう言うお前さん自身ではないか」と。これは「往生要集」という、地獄、極楽の事を書かれた源信僧都といわれる方のお言葉でございます。
恥ずかしい私たちの姿を余すところなく、描き出していると言うべきでしょう。地獄の製造者はこの私であったわけでございます。「お前の方向が狂っている」と、釈迦は、はっきり言われました。耳を傾けるべきではないでしょうか。

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