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こころの法話集195

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お話195

流行追わず個性尊重

坂井町下兵庫・丸岡高教諭 森瀬高明

今日越える

今の私たちは、所得に不相応な衣服生活にふり回されています。服装デザイナーという名の仕掛人と、衣類企業家の思う通りに、まだ十分着れる洋服が次々に死蔵されていきます。男も女も、自分の体形をじっくり顧みることもしないで、画一的なファッションに憂き身をやつしています。
四百年ほど前のヨーロッパは、世に有名なイタリアルネサンス期です。このころの風潮として特異なのは、「流行のなかった時代」だったそうです。つまり、一人一人が個性を尊重した結果、ワンパターンのファッションは不必要であったと言うことでしょうか。
当時のフィレンツェの市民は、「人間性の回復」に狂喜しました。彼らは「神から独立した自己」に自信がありました。レオナルド=ダ=ヴィンチは、自分で自己の紹介状を書いて就職探しをしたそうです。

お話195

「神からの独立」は「教会への反抗」になりました。宗教者の立場に立つ私たちは、建前上、あまりルネサンスをほめてはいけないのかもしれません。しかし、ルネサンス人を反教会に追い込んだものは、ほかならぬ教会自身でありました。宗教儀礼と俗臭たちこめる宗教的権力しかない教会に民衆はあいそをつかしたからです。ですから、「人間性の回復」がこのようにすばらしい姿で成就されたのでありますまいか。
今の私たちは流行の奴隷になっています。乗り遅れまいとする焦りが心のゆとりを失っているのではないでしょうか。その根底に横たわっているものは、野放しにされた欲望なのです。そのような私を、一歩下がって冷静に見つめましょう。「有為(うい)の奥山」は「今日越え」ましょう。一生「浅き夢を見続け」果てないために。

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