こころの法話集329
法話329
健康のありがたさ
大野市伏石・常興寺住職 巌教也
あるお寺の掲示板で、私はこんな言葉に出合いました。それは、
「手術前には手を消毒する流しの前に、必ず鏡がある。
その鏡は、外科医が自分の心を照らして見るためにある。という」と。
「健康な人は自分の健康に気がつかない。病人だけは、健康のありがたさを知っている」といったのは、イギリスの思想家、トマス・カーライルですが、世の中がどんなに変わろうとも「医は仁術」という昔からのことわざから、全力をあげて病気と取り組んで下さるお医者さんを、どこまでも信頼しなければならないと思います。
あるお医者さんが、こんな言葉をおっしゃって下さいました。それは「寿命は仏さまにお任せし 病気は医者に任せ 看病は家の人にお任せすれば あなたはなんの計らいも心配もいらないわけです」と。
そこに私は、ありがたい仏さまの教えの鏡と、お医者さんご自身の、尊い心の鏡を見せていただきました。