こころの法話集348
法話348
如来さまをたより(尊いお念仏のみ教えを)
敦賀市元町・浄蓮寺住職 龍渓玄真
私の親さま
「腹を立て 人をそねみ 欲に迷う 地獄の種まき これが私の一日」
あるお寺の伝道掲示板のことばです。ホントにそうですね。おはずかしいことです。
「人が生まれると、口の中に斧(おの)がはえる。愚者が悪いことばを口にすると、その斧で自分を切りつけることになる。非難すべき人をほめ、ほめるべき人を非難するものは、口をきくたびに身の不運を蓄積し、そのおかげで幸福にはなれない」(スッタ・ニパータ)とお釈迦さまは申されました。
まことに自業自得ですね。しずかに日ごろの私のことを考えてみますと、何とも申しようもなく身の縮む思いがします。
山陰の浅原才市という念仏者は、「才市、心に何がある。」「才市、心に、地獄があるよ。日にち毎日、炎がもえる。目には見えねど、これが証拠を。ありがたいな。親さまが、わしの心に、南無阿弥陀仏と、とろけやい、ご恩うれしや、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」とうたっています。
こんな私のために願いをかけられたのが阿弥陀如来さまでした。如来さまの方から、私に来て下さったおかげで、如来さまを親さまとたよることができました。そして、私のおそろしい姿のままに、私が生かされているよろこびを味わうことができました、とうたった才市さんは幸せ者でしたね。
お互いに、もっともっと尊いお念仏のみ教えを聞かせていただきましょう。