こころの法話集108
お話108
反省し喜びの世界へ
坂井町御油田・演仙寺前住職 多田淳政
苦悩のもとは私自身
「人生は苦なり」とお釈迦さまがおっしゃったように、私たちの人生にいろいろな悩みや苦しみが多いですね。
しかし、私たちは、ともすると、それらの苦悩は外から来るものと思って、それを避けようとしたり、または他人や世の中を恨んだりしがちですね。しかし、それでよいのでしょうか。
それならば、苦悩は避けられるものではないはずです。むしろ、その苦悩をガッチリと受けとめて、自分自身の心を反省するところに、苦悩が喜びに転ぜられる世界が開かれるのではないでしょうか。
妙好人才市さんは、次のような歌をよんでいます。
こんな煩悩さんよい
お前のおかげで、わしゃの
如来さんに 如来さんにしてもらうよ
こんな煩悩さんよ
わしゃお前がじゃまになると思うておったがの
わしの心得ちがいであったよ
わしがわるかった
こらえておくれよ
煩悩かかえて苦労の人生を送る私を見捨てない如来さまのお慈悲があったと喜んでいるすがたです。
よくよく考えてみたいものです。