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こころの法話集112

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お話112

煩悩捨て心を清める

坂井町御油田・演仙寺前住職 多田淳政

あなた任せの年の暮れ

今年もはや暮れになりましたね。年の暮れになると、いつも思い出すのは、「ともかくもあなたまかせの年の暮」という一茶の俳句であります。
年の初めには、今年はこうもしたい、ああもしたいと、いろいろな抱負を持って出発するものですが、さて年の暮れになって一年を振り返ってみると、思ったことの十分の一も出来ていない。それどころか、かえってくだらないことで時を費やしたり、思わぬ失敗をしたりして、悔恨の思いにかられるのが常であります。
しかし、すんだことにくよくよしても仕方がない。そんな心配ごころを投げ捨てて、すっきりした心で年の暮れを迎えることが大切だという意味だとも味わわれます。
しかし、この俳句に寄せられた一茶の心は、もっと深いところにあると思われます。
私たち人間の一生は、初めから終わりまで、煩悩の連続です。そして、もっと悪いことは、いかなる衆生をも助けねばおかぬという如来様のお慈悲を先取りして、どうせ煩悩具足の凡夫だからと、横着をきめこむ自力根生であります。
一茶の「あなたまかせ」という心は、そういう横着な自力根生でもなく、すんだことは仕方がないからどうでもしてくれという自暴自棄的な心でもありません。自分の煩悩のすがたに気づき、自己中心的なはからい心が捨てられたところに、自ら感じられみ如来様のお慈悲に、おまかせする敬度(けん)な心でありましょう。

お話112

一年の終わりに年の暮れがあるように、人生にも年の暮れがあります。広大なるお慈悲に包まれている自分の幸せに気づいて、「あなたまかせ」の年の暮れを迎えたいものです。

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