こころの法話集155
お話155
平等に価値与え調和
広島県・東本願寺布教使 野影義彦
ひかりといのち
暗く重くるしい闇(やみ)を破って、明るい朝をもたらせてくれる太陽の光ほど力と希望を与えてくれるものはありませんね。無限に広がる紺碧(こんぺき)の大空、緑に映える山々、銀色に輝く小川のせせらぎ、野や畑を彩る草花、待ちかねたようにさえずる小鳥。光はまさにあらゆるものの命を育ててくれるものですね。
しかし世に中は決して美しいものばかりではありません。反対に醜いものもあります。自然の石で組み合わされたお城の石垣も、同じ石は一つもありませんね。大きいのもあれば小さいのもあり、形のいいのもあれば悪いのもあります。

そこでこそ変化があって面白いのではないでしょうか。この石は気に入らないからといって、取り除いたらどうでしょう。たちまち石垣はバランスを失って崩れてしまうでしょう。白い花には白い光があり、赤い花には赤い光があって、それぞれの役割を果たしながらみごとな調和を保っているのです。
私たち人間の顔や姿だって、そうですよ。皆同じだったらどうでしょう。まったく味気ないと思いませんか。み仏の智慧(ちえ)の光は、私たちのぐちの心を破りながら、一隅を守る価値ある存在であることを教えるものです。あなたも自分を大切に!
み仏によって拝まれてあるあなたは、あなたのほかにはないのですから。