こころの法話集176
お話176
心の通い合う第一歩
坂井町御油田・演仙寺前住職 多田淳政
ごあいさつ
「あいさつは心と心をかける橋」
「おはようと笑顔で言おう私から」
これは私の町の、小学校のポスターです。
「あいさつは子から親から近所から」
これも青少年教化のある会の標語です。朝会ったら「お早ようございます」、昼会ったら「こんにちは」、夕方なら「こんばんは」、別れる時は「さようなら」とか「おやすみなさい」とお互いにあいさつし合うことは、まことに心の通い合う第一歩でありましょうね。
同じ家族の間でも、都合で「お早よう」を言いそびれた時は、なんだか一日中、心が重いような気がするものです。あいさつは社会生活の基本であるといっても過言ではないと思います。
だから、もし子供を育てる場合は、少なくともあいさつだけは出来る子に育てたいものですね。
お互い同士のあいさつと同じように、仏さまへのごあいさつも大切ですね。仏さまへのごあいさつは、朝夕の仏参りであり、お念仏でありましょう。
朝のお参りの時は、「仏さま、いつもお守り下され、お導き下さって、ありがとうございます。今日も元気で働いてまいります」という心であり、夕方の仏参りの時は、「仏さま、今日一日お慈悲の中で暮らさせていただき、ありがとうございました。おかげさまで心安らかに休ませていただきます」という心でありましょう。すべてが感謝のお念仏であります。
したがって、仏さまへのごあいさつは、私たちの人生の基本であると言えましょう。もし平常どんなに立派な口をきいても、仏さまへのごあいさつを怠るようならば、私たちの人生は暗い、寂しいものになるのではないでしょうか。