こころの法話集321
法話321
”心”はみがくもの(いろいろな滋養物が必要)
大野市伏石・常興寺住職 巌教也
フローベルの言葉
あるお寺の掲示板で、私はこんな言葉に出あいました。それは…
「心は化粧するものではない
みがくものである
そしてみずみずしく
麗しいものに
仕上げてゆくものである」と。
台所での言葉に「お米をとぐ」というのがありますが、一つぶ一つぶのお米にみがきをかけるような、手間ひまかけた、味わい深いものを、そこに感じます。
だからこそ、料理はどこまでも料理であって、けっしてえさであってはならないからであります。
台所でごちそうを作っているお母さんのことを、ある小さなお嬢さんが、こんな言葉でいいました。
「ママがきげんのいい時のキャベツをきざむ音は、とってもおいしそうよ。きげんの悪い時は新しいキャベツでも、腐ったのを刻んでいるみたい」と。

そして私は、
「心にも胃袋のように
いろいろの滋養物がいる」
といった、フランスの作家・フローベルの言葉を思い出しました。