こころの法話集375
法話375
苦難をこえて(二)
東京・当光寺仏教婦人会 反保滋子
子供たちは、お父様お母様を見ております。赤ちゃんは五分でも十分でもお母様をじっと見て、社会学を勉強しているのでございます。知恵遅れの子供たちであっても同じことでございます。
東洋人は手に指にみんな目があると言いました。後ろに目がないのにかゆいところへ手がゆくではございませんか。私の知らないところにたくさんの目があるのでございます。姿、形にとらわれなくても、何かすばらしい力が出るのでございます。
ですから知識はなくても、人間のすばらしい心の中にすばらしい心がどんどん育てられてゆくのでございます。美しい心がわかってこそ、私たちの周りにみなが感激もし、障害を持った人たちから、また言葉の言えない人たちからいろいろと教えられるのでございます。
心の健康というものは、私たち以上に苦しみを越えて苦しみの体験を持って、私たち以上にすばらしい心があることを関係者お互いが見いだして、世界の方々の心の指針になれるよう、あすに向かって前進しなければならないわけでございます。
悩んでいる者が逆にこれからの社会に対して役立つことができるということを信じている次第です。つたないお話ほんとうにありがとうございました。