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こころの法話集426

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法話426

すべてを仏さまに(はからい捨て安らぎを)

美山町獺ケ口・正玄寺住職 岩見紀明

おまかせする心(一)一茶の俳句より

「とる年もあなた任せぞ雪仏」
小林一茶の句です。一茶の句には「あなた任せ」という表現がしばしば使用されています。「涼風はあなた任せぞ墓の松」とか「ともかくもあなたまかせの年の暮」などが有名です。「あなた」とは「われ」に対する「あなた」という意味ではありません。
一茶が「あなた」という表現をする場合、二つの用例があるようです。一つは「あみださま」であり、いま一つは「自然」ということです。したがって「あなたまかせ」というときの「まかせ」は、あみださまの場合は、すべてを仏さまにおまかせするという「他力の信」を意味しておりますし、自然の場合は、自己のはからいをすてて如来のお誓いにしたがう「自然法爾
(じねんほうに)」の生き方をうたっているようです。人々のあいだでは、一茶のいう「あなたまかせ」を「もうどうなってもよい」という「あきらめ」ではないかとか「なりゆきまかせ」というふうに解釈しているようですが、それは本当の安心を知らない人々の解釈というものです。
なぜなら「諦(あき)らめ」の諦という字は、断念するということでなく、真実の道理を明らかにし、ああ、そうかという納得の意味です。
もし思いきったということですと、自分の意思がはたらいて「まかせる」という意味が失われますし、なりゆきまかせということになりますと「あなた」という代名詞の意味が消えてしまいます。
一茶のいう「あなたまかせ」とはすべてのはからいを捨てて、仏さまに託された他力の信心の安らぎを表現したものといえます。

挿絵

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