こころの法話集115
お話115
仏を知り人生に潤い
鯖江市戸口町・乗誓寺住職 鎌数静雄
本願
「本願」とは、阿弥陀如来の「根本の願い」ということで、実は阿弥陀如来は、私たちにたくさんの願いをかけていて下さるのであります。これを四十八願と申し、いずれも私たちにかけられた願いであります。その根本が、十八番目に誓われてあります願いで、これを本願と申します。
その内容を申し上げますと、「あらゆる人びとよ、まことに、間違いなく救いますから安心して、私の、み名を称(とな)えて下さい。嘘(うそ)は申しません。私は、あなたの仏です」と、約束しておられますから、この願いを「誓願」とも申し上げるのであります。
世の中には、「仏」など、信じないという人がおりますが、今一度、思い直して下さい。「仏」を知るには、「仏」の願いを聞くことから始まるのであります。

今こうした「本願」を、素直にいただきますと人生が変わってまいります。温かい阿弥陀如来の願いの中に生かされていく人生が始まるのであります。
いつも孤独に泣いていた私たち、人生の行く先も知らずに、さまようていた私たちが、もはや、阿弥陀如来に抱かれて、手を引かれながら、お浄土への道中が始まるのであります。