こころの法話集286
お話286
心の健康 お念仏から
春江町千歩寺・願教寺前住職 中臣徳恵
「口は身体と精神の健康の窓」であると、医学の有名な先生が申されています。その通りで、生命を続けるには、どうしても、口で食べねばなりません。飲まねばなりません。よくかんで、食べもの、飲みものの味をもらうべきです、いたずらにうまいというて、のどを通すだけでは胃腸を害し、病のもとになります。食べすぎたり、飲みすぎてはならぬから「腹八分目」と昔から言われます。飲食によく注意することが、身体の健康の始まりであります。
次に精神の健康については、なおさら口が大切。言わねば伝わらない。話をする。ところがそのことばが“ありがとう”“おかげさま”“もったいない”“すみません”などはよいですが、悪口、両舌(二枚舌を使う)、妄語(うそをいう)、綺語(きご=ことばをかざる)、この四つは、仏の教えでは、ことにいましめられています。
口は禍(わざわい)のもと、家庭において、社会において、これらのよくないひと言で、どれだけ、人間関係がそこなうかは常のことであります。
私どもは、“本願を信じ、念仏申せば、仏と成る”というみ教えにしたがい、最も尊いあらゆる徳のそなわったお念仏を申すことが、心の健康のもとであります念々称名常感謝、念々称名常懺悔(ざんげ)をいたしましょう。