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こころの法話集288

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お話288

胸中生きる蓮如さま

春江町千歩寺・願教寺前住職 中臣徳恵

蓮如さまは、幼少から苦難の中にあらゆる努力と忍耐をせられて、親鸞さまのみ教えを深く信じられたのを、時代にあわせて、長く蓄えられたエネルギーを発揮されたその一つが、吉崎でありました。
吉崎は海あり、潟あり、自然の環境に恵まれ、当時の交通の要所でもあったが、最初は荒れ果てたのを切り開いて、本願寺を四年半お山の設立されました。常に庶民によくわからせるために、親鸞さまの作られた書物を印刷になさるやら、多くの方に心の便りとしての「おふみ」すなわち「御文章」をたくさん作られました。現代の私どもその多くを読んで、信仰を深めることをしています。

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なお「肉づきの鬼の面」の伝説は、後世に至って俗化して、どちらが本物かと争うようになってきました。吉崎といえば、鬼の面をうんぬんするような時代もありましたが、よく考えると、私どもも皆鬼の面を所有していて、いつなん時あらわれるか、なんどき出るかわかりませんね。
常に仏の教えの鏡に、わが心をうつしていただいてたしなみたいものです。蓮如さまの吉崎ご滞在の時のエピソードが、今の私どもに「生きておることを」つくづく思わせることであります。

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