こころの法話集290
お話290
今日一日を大切に
春江町千歩寺・願教寺前住職 中臣徳恵
今日一日二十四時間は毎日同じであります。この今日は、昨日までの過去の色々のことがあらわれ、そうして明日のことが、今日のことが、あらわれています。今日こそ、一生涯の積み重ねであります。今日一日を無駄に過ごしたならば、一生涯が駄目になります。今日一日を充実し、全力投球するのが大切であります。
禅の厳しい修業も、浄土真宗の平生業成(へいぜいごうじょう)の教えも、このことに通づると言わねばなりません。
今日一日の一歩一歩、一言一動、すべて気をつけて行いましょう。今日一日の作った業が、未来にあらわれてきます。今日一日、感謝して、つつしんで生活しましょう。
世の中で成功した方々の例えば、松下幸之助さんの九十二歳の現在の世にもまれな栄誉、あるいは京都の江頭法輪さんのように、聖徳太子の精神を、九十九歳の現在に至るまで続けて、大きな業績をなした方、また親鸞聖人が晩年に著された数々の書籍、蓮如上人の
大悲伝普化の晩年のすばらしさ、いずれも一日一日を大切に、充実せられたからでありました。