こころの法話集291
お話291
仏の子供を育てよう
春江町千歩寺・願教寺前住職 中臣徳恵
教育とは、おしえ、さとし、いましめ、育てることであります。また知識をさずけ、感情を豊かにし、体も精神も健康にするとも言うてよろしい。
そうして、成熟した大人が、未成熟者のからだの心の働きを発達させる目的をもって、計画的方法で、一定の期間、継続して与える影響のことであります。
ところが現代の教育の方法およびその影響をみるのに、これらのことが、実際あらわれないのでないでしょうか。教育が学校と社会と家庭においてなさるべきですが、学校教育は極度に進み、世界でも有数の優れた国といわれますし、社会教育もあらゆる機関を通じて多くの知識を与えています。家庭においても、子供によい学校へ進学するように勉強せよ、勉強せよと塾に通わせて、知識方面を重視しているのが現状であります。
ところが育てるという面が欠けておらぬでしょうか。二十歳頃までのもっとも大切な時期に、育てることが欠けては、本当の教育になりません。
私どもみ仏の教えに生かされている者は、幼い時の初参り式をはじめ日曜学校、仏教青年会など宗教的情操教育をせねばなりません。すなわち、「仏の子供を育てましょう」と力を尽くさねばなりません。